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マイクロ法人と個人事業主の二刀流で節税【リべ大スキームの補足と実践】

マイクロ法人
記事の要約
  • 社会的弱者救済のため、法人(マイクロ法人)と個人を使い分けることで有利になるゆがみがある
  • ゆがみを利用して社会保険料削減と節税が可能(リべ大の動画では「マイクロ法人と個人事業主の二刀流」と表現)
  • 年収400万円、夫婦2人のモデルケースでは65.9万円節税できる
  • リべ大の動画ではあまり触れられなかったが、デメリット・注意点がある
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やさぐれブログを運営しているやさぐれです。

本ブログでは、節税、資産運用、副業、節約の情報を発信、実践してる様をお伝えしています!

「マイクロ法人って何なの?」
「マイクロ法人で節税って、どうやるのか知りたい」
「結局、どれぐらいお得なの?」
「どんなメリットがあるの?」

マイクロ法人で節税できると聞いて、実際にどうやって実践するのか知りたい方がいると思います。

本記事を読めば、マイクロ法人に関する疑問点を解消でき、マイクロ法人を作るまでの手順も理解できます。

リベラルアーツ大学(通称:リべ大)の動画でもマイクロ法人と個人事業主の二刀流という形で紹介されていました。

リべ大の動画では主に節税、社会保険料の削減になるメリットを中心に述べられていました。

本記事では、リべ大の動画ではあまり触れられなかったマイクロ法人のデメリット、二刀流にあたっての注意点、具体的な会社設立方法も解説しています。

リべ大の動画を見た方がマイクロ法人と個人事業主の二刀流で節税する際に、必要な情報を網羅できるように書いています。

  1. マイクロ法人とは
  2. マイクロ法人と個人事業主の二刀流 | リべ大流のゆがみ活用
  3. 「個人事業主のみ」と「マイクロ法人と個人事業主の二刀流」比較
  4. マイクロ法人と個人事業主の二刀流のメリット
    1. 社会保険料を大きく減らせる
    2. 所得税、住民税が節税出来る
    3. 消費税が免除になる場合がある
    4. 経費計上できる範囲が広い
    5. 個人事業主より社会的信用が得やすい
  5. マイクロ法人と個人事業主の二刀流のデメリット
    1. 法人設立の手間がかかる
    2. 個人事業主とマイクロ法人の両方で確定申告が必要
    3. マイクロ法人の確定申告は経理のハードルが上がる
  6. マイクロ法人と個人事業主の二刀流の注意点
    1. サラリーマンとマイクロ法人の二刀流は社会保険料のメリットなし
    2. マイクロ法人と個人事業は違うビジネスにする
    3. マイクロ法人で80万円の売り上げ、役員報酬を45,000円にする
    4. マイクロ法人で伸びる事業を選択しない
    5. 個人事業主の事業所得として認められる事業にする
  7. 「マイクロ法人節税に騙されるな」の本があるけど節税できるの?
  8. マイクロ法人と個人事業主の二刀流 | QA
    1. マイクロ法人設立の手順は?
    2. 会社設立サービスを比較して決めたいです
    3. 二刀流を丸投げで実現させたい場合は?
    4. マイクロ法人でおすすめ事業(業種)は何ですか?
    5. マイクロ法人で「せどり」をやるのはどう思いますか?
    6. リべ大で両学長が紹介していたマイクロ法人で配当控除を活用したサイドFIREは有効ですか?
    7. マイクロ法人を夫婦で運営するとどうなりますか?
    8. マイクロ法人で節税になるのか不安です
    9. マイクロ法人設立で個人事業主の開業届の変更は必要ですか?
    10. マイクロ法人設立時に自宅住所を公開したくない場合は?
    11. マイクロ法人で小規模企業共済は利用できますか?
  9. まとめ

マイクロ法人とは

マイクロ法人とは、株主と取締役が1人しかいない会社のことです。

一般的に法人は複数の株主で構成され、様々な事業を運営するため従業員や取締役は複数人置きます。

株主・取締役・従業員も1人で兼任する点がマイクロ法人の最大の特徴です。

1人だけで運営する他に、家族などを従業員にすることもあります。

「マイクロ法人」と「一般的な法人・個人事業主(フリーランス)」との違いは?

一般的な法人は事業を拡大し利益を最大化することで、株主へ利益を還元することが最大の目的です。

対照的にマイクロ法人は、事業拡大を目的とせず、社会的信用の向上や節税効果を目的とする場合が多いです。

そのため、個人資産管理を目的とする会社(資産管理会社)であるプライベートカンパニーでも良く取られる会社形態となります。

マイクロ法人と個人事業主(フリーランス)の主な違いは、税率と経費の扱いです。

事業内容や事業規模により、どちらが有利か異なります。

社会上の組織形態が異なるだけで、実作業内容は変わらないことが多いです。

「マイクロ法人」という言葉自体は、橘玲さんの著書「貧乏はお金持ち──「雇われない生き方」で格差社会を逆転する」で広まりました。

さらに元となる考え方として、 橘玲さんの著書「お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方 知的人生設計のすすめ」 の中で法人と個人を使い分けを提案されています。

元々、多くの人がサラリーマンとして働くことが前提とされており、日本の社会制度はサラリーマン向けに構築されています。

そのため、中小企業や自営業者などの社会的弱者救済のため、優遇制度が設けられました。

社会的弱者のための優遇制度によって、法人と個人を使い分けることで有利になるゆがみが存在します。

法人と個人の使い分けの際に設立する法人が「マイクロ法人」というわけです。

マイクロ法人のポイント
  • マイクロ法人とは1人会社のこと
  • 事業拡大を目的としない人、節税目的の人向けの会社形態
  • 法人と個人の使い分けで有利になるゆがみがある
  • マイクロ法人で有利になるゆがみを利用できる

マイクロ法人と個人事業主の二刀流 | リべ大流のゆがみ活用

お金にまつわる基礎教養を無料で発信しているYoutuber 両学長のリべ大 でも、法人と個人の使い分けを以下の動画で取り上げていました。

橘玲さんと同じ主張で、有利になるゆがみ活用術をリベ大流に解説しています。

法人と個人の使い分けることをマイクロ法人と個人事業主の二刀流とわかりやすく表現されています。

リべ大・両学長って何?

リべ大は両学長の運営するサイト、Youtube、コミュニティのことです。

両学長は「本当の自由を手に入れる お金の大学」という書籍を出版されており、お金の基礎教養の発信しています。

「個人事業主のみ」と「マイクロ法人と個人事業主の二刀流」比較

30歳年収の「中央値」は350万円前後ですので、年収400万円の1人世帯と2人世帯(夫が妻を扶養)を例として挙げます。

年収400万で「個人事業主のみ」と、 年収400万で 「マイクロ法人と個人事業主の二刀流」の場合の比較表(※)です。
※細かい諸条件によって金額は変わります。2021/8 時点で最もメジャーなケースを想定して試算しています。
 個人事業主は基礎控除48万円、青色申告控除65万円を利用した前提(小規模企業共済 最大48万円、iDeCo 最大27.6万円は控除として使用しない)

1人世帯の場合の「マイクロ法人のみ」と「マイクロ法人と個人事業主の二刀流」の比較表

マイクロ法人を利用することで、社会保険料と所得税・住民税を極限まで下げることができます。

追加で法人税・法人住民税を負担しますが、負担は7万円前後となるため社会保険料と所得税・住民税を下げるメリットが上回ります。

年収400万円のモデルケースでは、年間39.2万円得することになります。

さらに金銭的なメリットは扶養者が増えるほど効果を発揮します。

2人世帯の場合の「マイクロ法人のみ」と「マイクロ法人と個人事業主の二刀流」の比較表

以降では、「なぜ金銭的メリットが発生するのか?」詳細を説明します。

マイクロ法人と個人事業主の二刀流のメリット

マイクロ法人と個人事業主の二刀流のメリットは以下の5つです。

メリットを順に解説します。

社会保険料を大きく減らせる

社会保険料とは、主に国民年金・厚生年金と国民健康保険・健康保険です。

社会保険料は、標準報酬月額をもとに算出されます。

個人事業主の場合

収入が上がるほど標準報酬月額が上がり、社会保険料は高くなります。

マイクロ法人と個人事業主の二刀流の場合

マイクロ法人側の役員報酬を最低限に設定することで標準報酬月額を下げることが出来ます。

そして、マイクロ法人側で社会保険料を払っているため、個人事業主として支払う必要がありません。

さらに、被扶養者(配偶者・子ども)の国民年金と健康保険料支払いが不要になるため、被扶養者が増えるほど得する額が大きくなります。

4つのメリットの中でも社会保険料削減が削減効果が大きく、二刀流をする一番の恩恵と言えます。

所得税、住民税が節税出来る

所得税、住民税は、課税所得をもとに算出されます。

個人事業主の場合

青色申告で最大65万の控除を受けます。

マイクロ法人と個人事業主の二刀流の場合

個人事業主として青色申告で最大65万の控除に加えて、マイクロ法人として最低55万の給与所得控除を受けます。

マイクロ法人分の控除も使えるため、課税所得が下がり、所得税・住民税が下がります。

所得税、住民税の節税メリットを有効に機能させるために、 マイクロ法人では小規模な事業(年間75~80万円売り上げ)を行います。

だからこそ、1人会社(マイクロ法人)が都合が良いのです。

消費税が免除になる場合がある

開業1年目は消費税が免除になりますが、開業2年目以降も課税売上高が1,000万円以下の場合、消費税納税の義務が免除されます。

個人事業主の場合

売り上げを分散できません。

マイクロ法人と個人事業主の二刀流の場合

個人事業主とマイクロ法人に売り上げを分散できる分、個人事業主側の課税売上高が下がります。

課税売上高が下がることで、課税売上高が1,000万円以下という条件を満たす可能性が上がります。

■個人事業主の例
個人事業主としての売上:1,100万円(せどり200万円+Youtuber 900万円)
→課税売上高が1,000万円を超えるため、消費税の納税は免除されない

■二刀流の例
マイクロ法人としての売上:200万円(せどり200万円)
個人事業主としての売上:900万円(Youtuber 900万円)
→課税売上高が1,000万円以下なので、消費税の納税免除

ただし、インボイス制度に登録する場合、免税事業者でなくなります。

インボイス制度と免税事業者の関係について詳しく知りたい方は、インボイス制度について解説した記事を参考にしてください。

経費計上できる範囲が広い

二刀流のほうが、経費として計上できる範囲が広く有利になります。

個人事業主の場合

賃貸物件で事業をしていることが条件で、事業で使用している割合分を経費に計上できます。

マイクロ法人と個人事業主の二刀流の場合

賃貸物件をマイクロ法人で契約することで社宅として使用し、家賃の50~90%を経費に計上できるようになります。

個人事業主より社会的信用が得やすい

一般的に個人事業主より法人のほうが社会的信用が得られやすいです。

よって、マイクロ法人で行う事業に社会的信用が関わってくる場合、メリットになります。

仕事の取引相手だけでなく、銀行からの融資でも社会的信用はポイントとなるため、資金調達にも直結します。

個人事業主の場合

「決算書・確定申告書」などから情報を得て、個人事業主が信用できるか確認します。

法人と比べて個人事業主は、確認できる情報が限られます。

マイクロ法人と個人事業主の二刀流の場合

「登記簿」や「決算書・確定申告書」などから情報を得て、マイクロ法人が信用できるか確認します。

「登記簿」では、商号・本店住所・法人の目的・役員の名前など様々な情報を得ることができます。

マイクロ法人と個人事業主の二刀流のデメリット

マイクロ法人と個人事業主の二刀流のデメリットは以下の3つです。

基本的に様々な手間が増えてしまうというデメリットです。

「受けられる金銭的なメリット」と「手間がかかるデメリット」を天秤に測り、判断頂ければ良いと思います。

では、デメリットを順に解説します。

法人設立の手間がかかる

当然ですが、二刀流をするためにはマイクロ法人を設立する必要があります。

しかし、普通の人は会社設立の経験などありません。

会社設立には以下のアクションが必要になり、結構な手間がかかります。

会社設立に必要なアクション
  1. 会社設立に関する専門知識を学ぶ
  2. 会社設立に必要な書類の作成と提出
  3. 会社設立後に年金事務所、税務署などへ届け出

しかし、毎年何十万も(当サイトの例では、39.2万円~65.9万円)得できるのであれば、労力に見合う価値があります。

後回しにすると結局何もやらないことが多いので、気持ちが熱いうちにチャレンジしたいですね!

実際にマイクロ法人を設立しようという方は、マイクロ法人の作り方記事を参考にしてください。

専門知識不要で、書類作成・提出の手間を最小限にして会社設立する方法を解説しています。

個人事業主とマイクロ法人の両方で確定申告が必要

個人事業主とは別で、マイクロ法人でも確定申告が必要になります。

単純に考えても、確定申告の手間が2倍に増えます。

マイクロ法人の確定申告は経理のハードルが上がる

法人の経理の手続きと申告は個人事業主と比べて複雑になります。

知識をつけつつ、実践で経験を積むことが苦にならない人は問題にならないでしょう。

自力対応が不安であれば、税理士へ依頼する選択肢もあります。

一般的にマイクロ法人の売り上げや経費の処理はあまり多くないため、約10万~20万円が相場と言われています。

  • 自力対応が不安
  • 自分でやると手間がかかりすぎるので税理士に頼みたい

そう思った人は素直に税理士に依頼すれば良いと思います。

今は全国から自分のニーズや課題に合った税理士を紹介してもらえる税理士ドットコム」というサービスがあります。

まずは状況や要望を伝えて、無料相談を受けてみて下さい。

税理士に払う費用以外は無料です。

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マイクロ法人と個人事業主の二刀流の注意点

個人事業主とマイクロ法人の二刀流で節税・社会保険料削減を実践する際に、注意点があります。

適応できないケースや気にしておくポイントなど、以下5つが注意点です。

サラリーマンとマイクロ法人の二刀流は社会保険料のメリットなし

サラリーマン(会社員)はサラリーマンとして社会保険料をすでに払っているため、マイクロ法人に払わせるということはできません。

ただし、資産運用規模が大きくなってきた人が所得税・住民税の節税目的でサラリーマンとマイクロ法人の二刀流を行うケースは存在します。

詳しく知りたい方は、サラリーマンとマイクロ法人の二刀流記事を参考にしてください。

マイクロ法人と個人事業は違うビジネスにする

マイクロ法人と個人事業主で行っているビジネスが同じだと税務署に実質一緒とみなされて、まとめて課税されてしまいます。

例えば、マイクロ法人と個人事業主の両方ともせどりはダメです。

個人事業主でせどり、マイクロ法人でせどりを扱ったYoutuberなども、税務署によっては同じ事業と判断されえる可能性があります。

別々のビジネスとみなされるか心配な人は、税務署や税理士に相談してみて下さい。

ただし、不動産のみ例外があります。

個人事業主として不動産事業を行っており、不動産をマイクロ法人へ移管して問題ない?で解説しています。

マイクロ法人で80万円の売り上げ、役員報酬を45,000円にする

マイクロ法人には年間75~80万円売り上げて、役員月額報酬を45,000円に設定します。

社会保険料、住民税、所得税が最も安く済むようになります。

以下の記事でも書いている通り、売上なしでも計算上はメリットがあります。(ただし、売上なしは事業として不健全です)

詳しくは、赤字でもマイクロ法人設立の意味があるか解説した記事を参考にしてください。

マイクロ法人で伸びる事業を選択しない

マイクロ法人で稼ぎすぎると、3を実現することができなくなります。

ビジネスが成長して年間80万円以上稼げそうな事業は選ばないようにしましょう。

例えば、以下のようなイメージになります。

  • マイクロ法人:時間単位や仕事単位で安定して稼げる(動画編集、せどり (転売) )
  • 個人事業主:使う時間に対して青天井で稼げる(Youtuber、ライバー、ブログ(アフィリエイト))

個人事業主の事業所得として認められる事業にする

マイクロ法人と個人事業主に事業を分ける場合、個人事業主側の事業が事業所得として認められるか注意しましょう。

事業所得として認められることで、青色申告特別控除、純損失の繰越しと繰戻し、30万円未満の少額減価償却資産の特例の主に3つの節税効果が得られます。

事業所得として認められるポイントは、繰り返し、継続して、独立して行う仕事であるかどうかです。

国税庁の定義を引用しますと、以下のような説明になります。

事業所得とは、農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業を営んでいる人のその事業から生ずる所得をいいます。

ただし、 不動産の貸付けや山林の譲渡による所得は事業所得ではなく、原則として不動産所得山林所得になります。

「事業として」とは、対価を得て行われる資産の譲渡等を繰り返し、継続、かつ、独立して行うことをいいます。

国税庁:No.1350 事業所得の課税のしくみ(事業所得)
国税庁:No.6109 業者が事業として行うものとは

事業所得として認められない場合、雑所得として扱われるため、 青色申告特別控除、純損失の繰越しと繰戻し、30万円未満の少額減価の節税メリットが受けられません。

「マイクロ法人節税に騙されるな」の本があるけど節税できるの?

「マイクロ法人節税に騙されるな」というタイトルの本があります。

このようなタイトルの本があると本当に節税できるのか、心配になる方がいると思います。

本の内容は、マイクロ法人節税のメリット・デメリットを挙げたうえで、マイクロ法人を設立すべきかどうかの具体例を解説しています。

決して、マイクロ法人節税を否定しているだけの本ではありません。

マイクロ法人節税のメリット・デメリットについて、どのように述べているか紹介します。

「マイクロ法人節税に騙されるな」に書かれているメリット
  1. 累進課税が適用されなくなる
  2. サラリーマンの副業の損失でも、法人化すれば法人の他の収益と相殺ができる
  3. 欠損金の繰越期間が長い
  4. 個人事業とマイクロ法人の二刀流による社会保険料の節約
  5. 各種節税方法が使える

メリットは、ほぼ本記事で述べた通りになります。

「マイクロ法人節税に騙されるな」に書かれているデメリット
  1. 法人の設立コストがかかる
  2. 法人の運営コストがかかる
  3. 代表者の自宅住所が登記で公表される
  4. マイクロ法人負担の社会保険料の発生

デメリットのうち、「1. 法人の設立コストがかかる」、「2. 法人の運営コストがかかる」については本記事で述べた通りです。

「3. 代表者の自宅住所が登記で公表される」については、法人設立上どうしようもありません。

どうしても回避したい場合、バーチャルオフィスを利用する案があります。

詳しくは、自宅住所を公表したくない場合は?を参考にしてください。

「4. マイクロ法人負担の社会保険料の発生」のデメリットが、最も注目すべき点です。

将来の年金増加に寄与しないため、マイクロ法人負担の年金保険料は払い損とみなすが本書の主張です。

また、二刀流の場合はトータルで税・保険の負担が、個人事業一本の時よりも軽くなると述べています。

つまり、「個人事業主一本」から「二刀流」にする場合、その金銭的メリットはある。

「会社員+個人事業の副業」から「マイクロ法人の設立」を目指すなどの微妙なケースは、マイクロ法人負担の年金保険料を払い損とみなして試算する必要がある、ということです。

様々な試算、注意点が載っていますので、興味のある方は読んでみることをおすすめします。

マイクロ法人と個人事業主の二刀流 | QA

マイクロ法人と個人事業主の二刀流を実践する際に、出てきそうな疑問点に対する回答をまとめました。

マイクロ法人設立の手順は?

会社を設立する方法は、司法書士に依頼する方法と、自分で設立する方法があります。

司法書士に依頼すると、会社設立時に必ずかかる費用+6~10万円の手数料を追加で払う必要があります。

今は自分で設立するハードルも下がっていますし、自分で会社設立すれば司法書士に依頼するよりかなり安くなります。

ポイントは会社設立サービスを利用することです。

自分で会社設立する際に、すべて自力でやろうとしてしまうと以下のデメリットがあり、お勧めしません。

自力で会社設立するデメリット
  • 機材やソフトウェアが必要でかえってコスト増になる
  • 多くの書類が必要になり手間がかかる

登録は無料なのですぐに会社設立しないという人も、準備もかねて登録までしておくと良いと思います。

会社設立するにあたって、何を考えて何を決めておく必要があるのか、イメージが湧きやすくなります。

以下から、マネーフォワード会社設立に登録できます。

簡単ステップで会社設立/

会社設立サービスを比較して決めたいです

大手の会社設立サービス4社を紹介します。

会社設立サービス比較表

サービスを比較して検討したい方は、各サービスの詳細比較記事を参考にしてください。

また、評判、メリット、デメリット、使い方については各サービスごとに解説しています。

マネーフォワード会社設立については、マネーフォワード会社設立の解説記事を参照してください。

freee会社設立については、freee会社設立の解説記事を読んでみてください。

二刀流を丸投げで実現させたい場合は?

マイクロ法人設立から税理士に代行やサポートを行ってもらう解決策もあります。

二刀流を実現するためには、少なくとも以下の対応が必要です。

  1. 二刀流をすると、どれぐらいプラスになるかの検証
  2. マイクロ法人を設立
  3. マイクロ法人と個人事業主の確定申告

二刀流はやりたいが、自力対応する時間が惜しいので多少費用がかかっても丸投げしたい

サポートを受けたい方は税理士ドットコムの税理士紹介で丸投げでできるよう要望を伝えて、無料相談を受けましょう。

相談ポイント
  • 個人事業主をしており、マイクロ法人の設立を考えている
  • 個人事業主とマイクロ法人の両方を運用することで、社会保険料の削減や節税を行いたい
想定される導入の流れ

このようにお願いできたらベストです

  • 契約前に、マイクロ法人導入による節税効果を見積もってもらう
  • 見積もり結果が「節税効果>税理士報酬」となり、任せる業務内容が合意出来たら契約

興味のある方は、丸投げで任せられる税理士を探してみてはいかがでしょうか?

丸投げでマイクロ法人を実現/

マイクロ法人でおすすめ事業(業種)は何ですか?

事業(業種)を選ぶポイントは以下2点です。

  • 年間80万円程度安定して稼げる
  • あまり爆発的に売り上げが伸びない(伸びない見込み)

人それぞれの事業運営の仕方にもよるので、「この事業がおすすめ」と一概には言えません。

自分でできる事業の中で、選ぶポイント2点を満たすものは何か考えてみて下さい。

考えられそうな事業をマイクロ法人でおすすめの業種に列挙しますので、参考にしてください。

また、マイクロ法人を設立する際に、どのような事業目的・業種にするべきか悩んでいる人もいると思います。

事業目的・業種の詳しい情報、記載の仕方も先ほどの記事で解説しています。

マイクロ法人で「せどり」をやるのはどう思いますか?

3つの点から、マイクロ法人で「せどり」を選択するのは良いと思います。

せどりが向いている点
  • 売り上げの上下をコントロールしやすい
  • 仕入れ先、売却先が決まっていれば安定しやすい
  • 個人事業で行っている事業が転売でなければ、事業が重複しないと判断しやすい

さらに付け加えるなら、「せどり」はサラリーマンの人が副業で始めやすいです。

将来的に個人事業主としてはガッツリ稼げる事業を選択し、マイクロ法人では「せどり」を事業にするよう計画できます。

逆に「せどり」を選択しないほうが良いケースは、人を雇うなどして「せどり」の売り上げをどんどん拡大したい人です。

売上拡大を狙う場合、個人事業主として「せどり」を行いましょう。

リべ大で両学長が紹介していたマイクロ法人で配当控除を活用したサイドFIREは有効ですか?

たしかに、動画で「1,500万円の株式資産を持つマイクロ法人」を運営するモデルを紹介しています。

しかし、実際問題モデルケースの実現は難しいです。

個人から法人へ株式を譲渡する場合、税金がかかってしまいます。

また、保持している株式を現金化する方法もありますが、利益が出ている場合課税されてしまいます。

1,500万円の株式資産を持つマイクロ法人をスムーズに実現する場合、自由になるキャッシュが1,500万円あることが前提条件です。

キャッシュが1,500万円準備ができる人には、良い方法と言えます。

マイクロ法人と資産運用の詳細情報が知りたい方は、マイクロ法人で資産運用する場合の解説記事を参考にしてください。

マイクロ法人を夫婦で運営するとどうなりますか?

夫婦でマイクロ法人を運営しつつ、二刀流の恩恵を受ける事は可能です。

マイクロ法人で給料を支払う場合、役員報酬や給与手当として経費で処理できます。

ただし、被扶養者の所得を上げすぎると、税法上の扶養、健康保険上の扶養から外れる可能性があるので注意しましょう。

扶養のルールについては以下を参照してみて下さい。

事業拡大が想定以上で収入が大きくなり、どうやっても扶養から外れる場合、節税でのプラス面より事業拡大による所得向上のプラス面のほうが大きくなっています。

素直に事業拡大に舵を切って、節税でプラスを生み出すのは必要最低限にしましょう。

マイクロ法人で節税になるのか不安です

最終的に税理士に顧問を依頼するのであれば、見積もりで検証してくれる可能性があります。

見積もりの際は具体的な計算が必要になるため、前年の確定申告書などが必要になるでしょう。

税理士ドットコム」で、見積もり検証可能な税理士の紹介を相談しても良いと思います。

見積もり検証を相談/

マイクロ法人設立で個人事業主の開業届の変更は必要ですか?

個人事業主をしていた人がマイクロ法人を設立した際に、個人事業主の開業届の変更は不要です。

自宅の住所を変更した時に、個人事業主の開業届の変更が必要になります。

マイクロ法人と個人事業は違うビジネスにする必要があるため、個人事業主の屋号・事業内容・業種を変更したい場合があるでしょう。

屋号を変更したい場合は、確定申告書に変更後の屋号・業種を記載すれば良いです。

マイクロ法人設立時に自宅住所を公開したくない場合は?

バーチャルオフィスを利用すれば、自宅住所を公開せず、会社を設立できます。

バーチャルオフィスとは、事業用に住所のみを貸し出すサービスです。

郵便物の受け取り、銀行口座開設、法人登記の住所や所在地、取引先への住所開示として利用できます。

様々な会社がバーチャルオフィスを提供していますが、レゾナンスのバーチャルオフィスが最もお勧めです。

2019-2022年「バーチャルオフィス部門」で「人気」「顧客利用満足度」「価格満足度」No.1に選ばれています。

都内一等地住所、転送電話・秘書代行など豊富な追加サービス、一等地の貸会議室の利用可、初月半額キャンペーン中、有人対応&受付スタッフ常駐、など様々な点で他社より頭一つ抜けたサービスを提供してくれます。

レゾナンスのバーチャルオフィスで住所も安心/

マイクロ法人で小規模企業共済は利用できますか?

マイクロ法人で小規模企業共済は利用できます。

小規模企業共済は、小規模企業の経営者や役員、個人事業主のための退職金制度です。

マイクロ法人であれば小規模企業に該当するため、加入資格を満たします。

業種によって従業員の人数などが異なりますので、従業員がいる場合は加入資格を確認しましょう。

公式サイトの加入資格で確認できます。

掛け金は所得控除できて節税になりますが、20年未満の解約では元本割れが発生します。

節税メリットと、資金ロックや元本割れリスクなどのデメリットを検討してから導入を考えましょう。

まとめ

今回は、マイクロ法人と個人事業主の二刀流について解説しました。

ポイントを以下にまとめます。

  • 法人と個人を使い分けることで、有利になるゆがみが存在する
  • リべ大では、マイクロ法人と個人事業主の使い分けを二刀流と表現した
  • 二刀流によって、節税と社会保険料削減が可能
  • 二刀流には、金銭的なメリットと手間増加のデメリットがある

個人事業主として複数のビジネスを回しているような人は、ぜひ二刀流を検討してみてください。

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