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目的によって、売上なし赤字でもマイクロ法人を設立する意味はあります。
シンプルにいえば、節税(社会保険料を減らす)が目的の人にはメリットあり、儲けることが前提の人にはメリットなし、となります。
節税が目的の人にメリットがある理由
節税(社会保険料を減らす)が目的の場合、マイクロ法人には年間75~80万円売り上げて、役員月額報酬を45,000円に設定するのが最適になります。
社会保険料の負担を最低限にしつつ、役員月額報酬を所得税がかからないレベルにするためです。
赤字では、役員報酬(給与)は受け取れませんが、社会保険料を最低限にする役割は果たせます。
「個人事業主」のみと、「マイクロ法人と個人事業主」で節税(社会保険料を減らした)場合の比較表(※)です。
※細かい諸条件によって金額は変わります。2023/8 時点で最もメジャーなケースを想定して試算しています。
フルでメリットを活かせば65.9万円節税できますが、赤字の場合、赤点線の部分のメリットを受けることが出来ません。
しかし、社会保険料の減少額と比べて所得税・住民税の節税額は低く、13.2万円です。
社会保険料を59.7万円減らせることのほうがメリットとして大きいです。
社会保険料の削減は、個人事業主で加入していた【国民年金・国民健康保険】を法人の【国民年金+厚生年金・健康保険】へ移行することで実現します。
二刀流での節税に取り組みたい方は、マイクロ法人と個人事業主の二刀流で節税記事を参考にしてください。
マイクロ法人で儲けることが前提の人にメリットがない理由
利益を出しマイクロ法人で儲けることが前提の人がマイクロ法人を設立する理由は、所得税を抑えるためです。
一定以上の所得になると、所得税と法人税の税率が逆転するため、税率差を利用して節税することがメリットとなります。
しかし、赤字であれば所得が増えるどころか減っているので、税率差のメリットを活かすことが出来ません。
所得分散が目的でマイクロ法人を設立するサラリーマンにも同じことが言えます。
サラリーマンの節税についてより詳しく知りたい方は、マイクロ法人でサラリーマンが節税する方法の記事を参考にしてください。
マイクロ法人で「売上なし」「赤字」って本当に大丈夫?
節税目的ならメリットがあることは分かったけど、「売上なし」「赤字」って本当に大丈夫なのでしょうか?
東京商互リサーチの最新の赤字法人率の記事によると、2021年度の赤字法人率は65.3%。
2023年に国税庁が公表した情報です。
赤字自体は多くの企業が経験しており、「売上ゼロ」「売上の計上なし」「赤字」だからダメだということはありません。
事業拡大のために戦略的に赤字の状態になっている企業も存在ます。
マイクロ法人を利用する場合、マイクロ法人単体ではなく、個人とマイクロ法人合わせたトータル収支で価値があるか判断しましょう。
問題となるケースは、脱税のため事業実態がないペーパーカンパニーと税務署から判断される場合です。
- 事業を行っていないにも関わらず架空の売り上げを作る
- 経費と認められないものを経費と扱う
などの違法行為は行わないよう注意してください。
マイクロ法人で赤字決算が続く場合の具体的な対応策
多くのマイクロ法人経営者は、初年度や数年間は赤字決算になることが一般的です。
しかし、これを逆手に取って、次のような対策を講じることで、長期的に安定した収益を見込むことができます。
赤字を活用した税金対策
赤字が出た場合、次年度以降の黒字と相殺することで、税金を抑えることが可能です。
この際に利用できる具体的な制度や申請方法を詳しく説明します。
欠損金の繰越控除
赤字を翌年度以降に繰り越し、将来の黒字と相殺することで法人税を減少させる制度です。
青色申告を行うことで、最大10年間の赤字を繰り越すことができます。
欠損金の繰戻し還付
赤字を前年度に繰り戻し、前年度に納めた法人税の還付を受けることができます。
前年度の黒字と当年度の赤字を相殺し、還付申請を行います。
経費の見直しと効率化
赤字が続く原因の一つは、経費の過剰支出です。
経費を見直し、不要な支出を削減する具体的な方法をいくつか挙げ、経営の健全化を図りましょう。
経費の分類と分析
経費を固定費と変動費に分類し、どの項目が過剰かを分析します。
オフィスの賃料や光熱費などの固定費、広告費や接待費などの変動費を見直します。
コスト削減の具体策
不要な支出を削減し、効率的な経費管理を行います。
サブスクリプションサービスの見直し、エネルギー効率の高い設備への投資、リモートワークの推進など。
外部専門家の活用
税理士や経営コンサルタントなどの専門家に相談し、経費削減のアドバイスを受けます。
節税対策や経費削減の具体的なプランを提案してもらう。
これらの対策を講じることで、赤字を有効に活用し、経営の健全化を図ることができます。
長期的な視点で経営を見直し、安定した収益を目指しましょう。
売上なし赤字でもマイクロ法人設立 | QA
売上なし赤字でもマイクロ法人を設立する意味について解説しました。
最後に実践する際に、出てきそうな疑問点と回答を整理しました。
マイクロ法人設立の手順は?
節税・社会保険料を減らす効果があることはわかったけど、マイクロ法人ってどうやって設立するの?
会社を設立する方法は、司法書士に依頼する方法と、自分で設立する方法があります。
司法書士に依頼すると、会社設立時に必ずかかる費用+6~10万円の手数料(合同会社の場合)を追加で払う必要があります。
今は自分で設立するハードルも下がっていますし、自分で会社設立すれば司法書士に依頼するよりかなり安くなります。
自分で会社設立する方法について知りたい方は、会社設立の解説記事を参照してください。
赤字だとしても確定申告は必要?
節税目的で設立したマイクロ法人が赤字でも納税義務は発生し、確定申告が必要になります。
ある程度知識があれば、税理士なしでも対応可能です。
節税目的であれば、複雑・大規模な経理が必要な事業を行っている可能性は低いでしょう。
自分で決算・確定申告を行いたい方は、税理士なしで決算・確定申告をする方法の記事を参考にしてください。
自力での対応が不安、手間を極力減らしたい人は税理士・会計事務所に依頼すれば良いと思います。
手間の削減だけでなく、経費の扱いなどで税務署へ誤った申告をするリスクも減らせるでしょう。
今は全国から自分のニーズや課題に合った税理士を紹介してもらえる「税理士ドットコム」というサービスがあります。
まずは状況や要望を伝えて、無料相談を受けてみて下さい。
税理士に払う費用以外は無料です。
マイクロ法人の売上ゼロで、どう運営するの?
会社を設立する際に、謄本に登記した資本金を用意します。
売上がない場合、支出は資本金からねん出します。
資本金がなくなったら、自分個人のお金を役員借入金として、会社に貸し付けることで運営します。
プラス収支にならない限り、会社は赤字になり続けますが、赤字は10年間繰り越し可能です。
事業が軌道にのったら、赤字を返しつつ、役員報酬を支払うように調整していけば良いでしょう。
前章で「マイクロ法人には年間75~80万円売り上げて、役員月額報酬を4.5万円に設定するのが最適になります」と説明しました。
しかし、年間75~80万円売り上げはメリットをフルで活かすための前提です。
節税目的であれば、会社を立ち上げた1期目から「年間75~80万円売り上げ」である必要はありません。
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